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校長あいさつ
この教室に通う子どもたちは、日本の文化を土壌にして育った方を親に持ち、少なからず日本文化の影響を受けて育っている子どもたちです。遺伝学的に日本人の血が流れているか、いないかということには特に焦点を当てる必要はありません。
彼らはまだ幼い児童です。小・中学生くらいの子どもは成長に個人差はありますが、まだ他者から認証されることで自己を形成している段階です。しかし、やがて青年期となり、自己概念を形成する時期を迎えます。自分はどこから来たのか、どこへ向かうのか、自分とはいったい何者なのか――。その中に、自分と日本との関わりというものもおそらく含まれてくるのではないでしょうか。
これは国際結婚をされている方だけに当てはまることではありません。ご両親が日本人でも、自分はアメリカで育っているがアメリカ人ではない、といった葛藤が芽生えることも十分予想されます。そのようなときに、日本語を自由に操れるようになっていれば、自分のルーツに積極的にかかわることができるはずです。
また、皆様は補習校の保護者・教師との関わりをお持ちです。つまり日本人のコミュニティーに参加されています。そして、アメリカのコミュニティーにも参加されています。このことは皆様の人生を大変豊かにしていると思うのですが、いかがでしょうか。中には「どちらつかずだ」と謙遜される方もいらっしゃるかも知れませんが、そんなことはありません。大変素晴らしいことです。
子どもたちが自分自身の力で苦悩を乗り越え、保護者の皆様と同じように、豊かで実りの多い人生を送って欲しい。そのためにひのき補習校ではしっかりと日本語を指導する。私たちが補習校を運営しているのはこのためです。
さて、皆様は、なぜ子どもたちを日本語学校に通わせるのでしょう。
この答えを一人一人の方から伺うことはありません。皆様にそれぞれの理由があると思います。私がお願いしたいのはただ一つ、「なぜ」を忘れずにいてくださいということだけです。それを忘れずに子どもと接していれば、きっと「なぜ」の答えに近づいていくはずです。
ひのき補習校
校長 岡 睦